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Tove Slotte Special Interview

陶芸家であり、1990 年代よりアラビアのムーミンシリーズのイラストに携わってきたトーベ・スロッテさん。 昨年アラビアミュージアムギャラリーで開催されたムーミンマグ展を再現した巡回展開催のオープニングに合わせ、9 月に初来日を果たした彼女にお話を伺いました。

 

――本国でのムーミンマグ展は、アラビアブランドの発展に寄与してきたムーミンマグの世界観が伝わるとても素晴らしい展覧会でした。現地のフィンランドの人々にとって、どのような展覧会であったと思われますか?

多くのフィンランド人にとってムーミンマグは、日々の暮らしに存在して、日常使いされているものです。昨年の展覧会は、そのムーミンマグの全貌を見られるものでした。 あれだけのマグを全て所有している人はまずいないはずです。展覧会で初めて全てのマグを見ることができたのです。ひとつひとつに歴史があり、その歴史を追いながら、 あるいは(自分の思い出と重ね合わせて)懐かしく思いながら見ていただいたりなど、ムーミンと自分の日常とが自然と結びつくような展覧会であったのではないでしょうか。

――日本でもお子様から大人まで、アラビアのムーミンマグは大変人気があります。最も多い理由として、 「イラストがかわいい」、「好きなキャラクターが描かれている」などですが、スロッテさん自身として、今回の日本の巡回展をどんなふうに見てほしいと思いますか?

私自身、ムーミンのストーリーが大好きで小さい頃からたくさん作品を読んでいました。ですので、ムーミンを好きな日本の人達にも「かわいい」だけで終わることなく、 絵の背景にあるトーベ・ヤンソンの作りだしたストーリーにも興味を持って知っていただけると嬉しいです。


――ムーミン製品を製作する上で、何か決め事などはあるのでしょうか?

ムーミンというのは、トーベ・ヤンソンが物語やコミック、絵本などの中に描いたキャラクターです。私は装飾としてムーミンを描いているわけですが、 一人でムーミンの絵を描くという点は、彼女と私に共通して言えることだと思います。

そしてその「人の手で描かれた絵」の痕跡がきちんと残るように意識しています。製品の原画は手描き、 線の太さに強弱をつけ使い方を工夫したり、もちろん色使いにも気を配ります。またカトラリーなどでとても小さなスペースにキャラクターを描かなければならない場合でも、 必ず(トーベ・ヤンソンの描いた)ムーミンストーリーを込めたいと思って取り組んでいます。
さらに、脇役のキャラクターも時々描くのですが、それはムーミン谷には楽しいキャラクターがいっぱい住んでいることを多くの人に知ってほしいからです。これはトーベ・ヤンソンに対する敬意でもあります。

――ムーミンマグはティーマシリーズのマグに、ムーミングラスはカルティオシリーズのタンブラーにと、どちらも『フィンランドデザイン界の良心』と言われるカイ・フランクの代表作ですよね? このことに対して、何かご自身の特別な思いというものはありますか?

とても素晴らしいものが揃っていると思います。偉大なデザイナー、カイ・フランク、そしてムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソン。二人ともフィンランドの国の誇りです。 カイ・フランクのデザインした究極のシンプルなマグカップやグラスに、ムーミンのストーリーを表現することは最高に幸せな気持ちで、 それはおそらくトーベ・ヤンソンが真っ白な紙にムーミンを描き出すことと同じ気持ちなのではないかと思います。

 

今回の滞在は東京のみでしたが、充実し、いろいろな刺激を受けたそうです。また、ムーミン製品がこれほどまで日本で愛されていることを実感したとも言っていました。 新しいデザインに取り掛かってから製品化されるまで、だいたい2 年~2 年半かかるムーミン製品。 長い年月をかけてみなさんに喜んでいただける製品を作ることに、これからもトーベ・スロッテさんは力を注いでくれることでしょう。


 

(通訳:森下圭子)